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ポリイミドはスーパーエンプラとして知られる高分子材料で、300℃以上の高い耐熱性と優れた機械的強度、化学的安定性を併せ持ちます。この優れた特性を活かし、ポリイミドは人工衛星や宇宙ヨット、携帯電話やスマートフォンなどの航空宇宙材料・電子材料として広く利用されています。さらに、近年ではポリイミドのような耐熱性ポリマーに下記のような特性を与え、新しい光・電気機能材料に応用しようという研究が活発に行われています。 | ||
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これらの特性は、PIの化学構造のみならず分子鎖の凝集状態に強く依存すると予想されることから、ポリイミドの電子状態・凝集状態と光・電機特性との相関の解明が材料設計の鍵となります。そこで私は、PIの電子状態や凝集状態が材料の透明性や・蛍光特性・光電導性といった光・電気特性に及ぼす影響を明らかにし、高耐熱機能材料の新たな分子設計指針を得ることを目的として研究を進めています。 | ||
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高分子の凝集状態を意図的に変化させるための外部摂動として”静水圧印加”を用い、超高圧下でのポリイミド薄膜のX線回折測定、IRスペクトル測定、紫外/可視光吸収・蛍光スペクトル測定を通じて、ポリイミドの凝集状態と光学特性との相関を解析しました。 |
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この研究の成果は、Macromolecules誌にて報告しています。 1. K. Takizawa et al. Macromolecules, 43, 2115–2117 (2010). [Online] 2. K. Takizawa et al. Macromolecules, 44, 349–359 (2011). [Online] 3. K. Takizawa et al. Macromolecules, 45, 4764–4771 (2012). [Online] |
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ポリイミドの基礎的な電気伝導機構を調査するために“暗電流の温度可変測定”、光電流特性とポリイミドの分子構造・凝集状態との相関を調査するために“光電流スペクトル測定”を行っています。これらの電気伝導特性評価については所属研究室が技術・経験を有しないため、試行錯誤しながら測定系の開発を行っています。 |
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